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SPECIALIZED TREATMENT

当院の専門診療

うつ病

Depression

うつ病とは

うつ病は、気分の低下や楽しみを感じないことなどの精神症状、睡眠障害、食欲不振、疲労感などの身体的症状が見られる病気です。
辛い出来事によって一時的に気分が落ち込むのは一般的ですが、それが長期間続いたり、はっきりとした原因がない場合は、うつ病の可能性があります。
日本での調査によると、100人中6~7人が生涯にわたってうつ病に罹ると報告されています。また、女性の方が男性よりもホルモンの影響や妊娠、出産などの理由でうつ病になりやすいとされています。
うつ病の原因はストレス、環境、遺伝など様々な要因が考えられますが、明確には解明されていません。しかし、感情や意欲に関わる脳の機能に問題があると考えられています。また、身体的な疾患がうつ病の症状と似ていることもあります。
どこの精神科でも一番多い疾患かと思いますが、実はうつ病は意外にも複雑な病気です。
というのも多くの精神科の病気でうつ状態と不安はほとんどつきものと言って良いからです。
うつ病はひとつではなくいろいろなうつ病の集まりと言っても良いでしょう。

うつ病の発症要因

うつ病は様々な要因によって発症します。ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。

  • 疲労性うつ病
  • ストレスや心的外傷
  • 喪失体験からくる外因うつ
  • 身体的なもの痛みや甲状腺機能障害
  • 動脈硬化・脳梗塞など脳疾患からくるもの
  • ある種の薬の副作用やアルコールからくる身体因性のうつ病
  • 一見うつ病かと思ったら双極性障害からくるうつ症状
  • 発達障害やADHDからくるうつ状態
  • パーソナリティ障害からくる適応障害うつ状態

上記以外にも、何の原因もなくうつ病が発症する場合があります。
これは内因性うつ病とも言われており、一番対処が難しいものでもあります。これはほっておくと死に至りかねません。ある程度子供の頃からの発達、家庭環境から問診していくことが必要でしょう。

うつ病の症状

感情にあらわれる症状

  • 悲しく憂うつな気分が一日中続く
  • 理由もなく悲しい気持ちになる
  • イライラする、怒りっぽくなる
  • 好きだったことに興味がわかなくなる
  • 何もやる気になれない

身体にあらわれる症状

  • 食欲が減る、あるいは増す
  • 疲れやすくなる
  • 動作緩慢、あらゆる動作が遅くなる
  • 不眠あるいは睡眠過多
  • 吐き気、下痢
  • 性欲減退、ED

当院でのうつ病の治療

休息をすすめる

うつ病の治療の基本は、

  • 休むこと
  • 脳を休めることです。

うつ状態では、脳が疲れ、エネルギーが著しく低下した状態になっています。
まずは十分な睡眠をとり、脳や体の負担を軽減することが大切です。
そのためには抗うつ薬などを使用した薬物療法の他に、いくつかアプローチがあります。
治療を進めていくうちに、あなたのうつ状態がどのタイプかも見えてきます。
ただしほっておくと死に至る危険がある場合には、緊急な薬物対策が必要なことがあります。
しかしそのようなパターンはそう多くはありません。
ただ細心の注意はいるでしょう。

薬物療法

これも意外に複雑で簡単なものではありません。
安易に抗うつ薬を投与すべきではないと思います。
うつ病の時に脳内脳神経系ではどんなことが起きているのでしょうか?
実際には見えませんので確立されてきた知見を元に説明してみましょう。
基本的には脳内物質neurotransmitterの相対的枯渇や現象です。
精神的ストレスが長く続くと脳はそれに対応しようとして、脳内物質を多く出し続けようとします。
一時的にはそれは効果をあげ危機を脱してしまうことがほとんどです。
ところが、そうした状態が長く続くと、もちろん脳内物質は枯渇してきますし代謝が亢進して減らそうという動きが出ます。
また、受け取るレセプターが増えてきて効果が薄まるという方向にも進むこともあります。

発達障害・ADHD

Developmental disorder

発達障害・ADHDとは

発達障害という言葉を耳にすることが増えて来たと感じています。発達障害と言っても、個々の症状は同じではありません。主に自閉スペクトラム症、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害に区分され、それぞれが「目標達成に必要な機能」に影響を与えると考えられています。一つのタイプの特徴が顕著である場合もありますが、複数の障害が同時に存在することもあります。また、子供の頃には症状に気付かないこともあり、大人になってから社会生活に適応できない場合もあります。本人や家族、周囲の人がその人の特性を理解し、適切な支援を提供することが重要です。

発達障害の特徴を一言で言うと、変わっていることといえます。平均から知覚、感覚、思考が少しずれています。ですからそれを捉えれば診断は簡単ともいえます。ただ表現系がおとなしいとわかりません、付き合っているうちにわかってきます。

大人の発達障害

最近はこの訴えがとても多いです。ADHD、カサンドラ症候群を含めたら新患の半分位を占めるのではないでしょうか。
発達障害(ADS PDD)とADHDはとても混同しやすく、医師でも迷うことがあるので一般の患者さんはなおのことでしょう。

こどもの発達障害の特徴

  • 目が合わない
  • 他の子どもに興味を示さない
  • 集団行動が苦手
  • 会話がつながらない
  • 自分の好きなことへは熱中する
  • じっとしていられない
  • 人の話を最後まで聞けない

おとなの発達障害の特徴

  • 人と違う気がする
  • 他人とうまくコミュニケーションが取れない
  • 整理整頓ができない
  • 時間が守れない
  • 仕事のミスが多い

発達障害の診断基準

社会的コミュニケーションの障害

こちらの考え方が独特なので言うことがうまく相手に伝わらない。
そのため相手の言うことがうまく理解できない

付き合いの障害(social の障害)

1の結果として人間関係がうまくいきません。
会社でも家庭でも学校でも友達とも合う人とは結構良いので少なく深い付き合いになることがあります。

想像力の固さ

考えが独特で買えるのが難しいので適応力が低いか、時間がかかり一旦なれるとそこからまた変化するのがつらいです。

ADHDとは

ADHD(注意欠如多動性障害)は、注意力不足などによる「不注意」と、落ち着きがなく自制が効かない「多動性・衝動性」の2つの特性を中心とした発達障害であり、この障害は児童期に現れ、幼稚園や学校などでこれらの特性による行動が見られます。学童期には3〜7%程度の割合で見られ、男性に比べて女性の発症率は低いとされていますが、成人になっても症状が持続することが一般的であり、男性の割合は青年期に減少する一方、女性の割合は年齢とともに変わらない傾向があります。
症状としては、①注意力障害②多動症③衝動性の3つからなる多様な症状があり、基本的には子供の頃から始まり18歳以降脳が成熟すると収まると言われています。ただしこの10年くらい大人のADHDがとても増えてきています。

不注意優勢(ADHD)のテスト

以下のテストにチェックを入れてみてください。
9個中6個以上ですと不注意優勢の診断がつきます

  • 学業・仕事中に綿密に注意をすることができずミスが多い
  • 課題・遊びの最中に注意の持続が困難である
  • 話しかけられたときに聞いていないように見えるか、聞いていない
  • しばしば指示に従えず別のことをしたり考えたりする
  • 課題や活動を順序立てることが難しく 資料を方つけることが苦手
  • 報告書の作成や長い文章が苦手で最後まで読めない
  • ものをしばしばなくしてしまう
  • 外的な刺激に反応して気が散ってしまう
  • 日々の活動で電話をかけ直す、用事を足す、お金の支払い、会合の約束を忘れてしまう

発達障害やADHDの治療

まずはじめは社会心理療法がガイドライン的には推奨されます。診断自体が患者さんの気づきを呼び起こすことも目標です。心理カウンセリングの適応のことも多いです。
認知療法というものがありますが、簡単に説明すると自分で気がついていない自分を発見することが必要です。病気で苦しむ自分です。そしてカウンセリングを続けていくうちに健全な自分を育てましょう。そして健全な自分と対話できるようになるとかなり成長します。
そのお助けをするのが医師でありカウンセラーともいえます。

発達障害、ADHDの薬物療法

発達特性は変わらないと言われますが、ごくまれに劇的に成長する人がいます。若い人に限りますが。 基本は真面目でないと成長しません。そのために薬物が助けになることがあります。

ADHDの社会心理療法はなかなか困難なことが多いです。時間と費用がかかります。回数を区切ってやることや、派生する困難にどう対処するかは必要でしょう。

コンサータ

昔はリタリンという名前で処方されていました。依存になる人や大量処方する医師がいたので、管理が厳しくなり依存できない仕組みができていますが、基本的にはこれを超える薬物はでていません。
しかしだれにでも処方できる薬でもありません。
子供の頃や家族の証言などのエビデンスが必要となっています。

アトモキセチン

抗うつ薬の開発からADHDに効果があることが発見されたもので、作用機序もノルアドレナリンの作用増強と言った似た構造を持っています。
現代の大人のADHDの治療では最初に使用することが多いです。

インチュニブ

新しい作用をもった薬です。シナプスの刺激を受ける方のα2受容体のブロックをして、ノルアドレナリンの漏れを防ぐと言われています。眠気がでることが多いので眠前に服用します。