安定剤と細胞膜レセプターの関係

神経細胞およびレセプターと栄養について
神経細胞 および一般細胞についての物質の構成は次のようなものです。一見して分かるように脂質タンパク質 糖質 およびミネラルなど人体の活動に必要なすべてが当然のことながら、細胞の構成を担っており、なおかつその活動も担っていると思われます。
その中で、一般的な安定剤いわゆるベンゾ系が体内に投与された後、どのようなメカニズムを持って安定作用を発揮するかということについては、一番重要なところは、ベンゾ系の物質が神経細胞のレセプターに作用するところから、始まります。もちろん、経口や筋注により、体内に取り入れられ肝臓や、腎臓により、代謝排泄の経路は、重要ですが、ここではそれは省きます。
ベンゾ系の安定剤は、神経細胞膜にあるベンゾ系のレセプターに付着します。その時に、近い位置にある GABA 系のレセプターに GABA が付着していることでその作用を発揮します。 GABA が付着していない場合には、ベンゾ系の作用は減弱します。この二つがそろった結果、細胞膜のレセプター付近にある開口部が開き、細胞外の CL イオンが細胞内に流入し、安定作用を発揮すると考えられています。
細胞がうまく機能するためには以前述べましたようにほとんどすべての栄養素が必要となります。ですから栄養素が足りない場合、またはミネラルが足りない場合には、幾ら薬剤を投与しても、その効果はほとんどないということになります。向精神薬安定薬の投与には、こうした準備段階が必要条件となります。
🧬 細胞全体を構成する主な物質
分類 主な物質 役割・特徴 脂質 リン脂質、コレステロール 細胞膜の構成。選択的透過性を持つ。 タンパク質 酵素、構造タンパク質、受容体など 細胞膜、細胞骨格、代謝、情報伝達など多様な機能。 糖質 グルコース、グリコカリックス エネルギー源、細胞認識、細胞膜表面の修飾。 核酸 DNA、RNA 遺伝情報の保持と伝達。 水 細胞質の主成分 物質の溶媒、反応場として機能。 無機塩類 Na⁺, K⁺, Ca²⁺, Mg²⁺ など 浸透圧調整、酵素活性、電気的活動。