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院長ブログ

時をかける少女 1997

なにげなくYouTubeをみていると 筒井康隆原作の 時をかける少女の NHK版 タイムトラベラーの主人公たちの現在はをやっていた もちろん 彼らは現代にタイムトラベルをしており 老人になったりあの世に転移したりしている。そのことでWikiで調べていると 派生物がいくつもあった。原田知世の初物の映画はあまりにユーミンの楽曲も有名なので知っていた。そこで1997年盤が白黒で趣がありそうなのでamazon prime でみてみたのだ。

そして初めに高校の校庭シーンが出てきたところで腰がぬけるほどびっくりした。

なんと私が青春のころ通っていたある城下町のある高校のグラウンドであった。そうこの角川春樹の極めて私的な映画はその町と高校あたりをロケして作ったらしいのだ しかも13日間というスピードで。

時をかける少女はSFやタイムトラベルの形をとってはいるが切ない喪失と追憶の青春の恋愛物語である。

主人公の芳山和子は未来からなぜか使命をおびて現代にタイムトラベルしてきた深町という少年と絡み恋に落ちる

しかし深町は和子の恋愛の記憶を消して未来に戻らなくてはいけない。いつか会えるわよねといい きっと会えるよとつぶやき 終わる

原田ものでは15年後に深町が会いに戻ってくるが和子は記憶をなくしていて認識もすることなくすれ違う。あまり感激はない ドラマがないのだ。

1997年ものは 15年後記憶をなくしたはずの和子のもとになにか知っている人として立ち現われおそらく記憶を回復し抱き合って終わる。

そこで精神科医の癖でわたしはこの物語を 深読みして楽しんでしまう。

人は愛する者の記憶を失っていくことがある 認知症である 名前を忘れどんな人であったかも忘れてしまう。思い出そうと必死になったり努力するがいつかそれもあきらめてしまう。認知症の初期では愛しい息子がきても具体的なことを忘れてはいるがなんとなく息子であることは認識する しかしそのうちに親切な男性に変化してしまう。

和子と深町はそこで出会い別れた 和子は思い出を心の中にいつまでもしまっていたがいつか喪失してしまう。深町が15年後に現れても覚えていない。これが原田編

1997年版では 15年後に忘れていたはずの深町のことをおぼろげに思い出す。これは逆行性健忘が次第に治っていく過程である。彼女は愛を回復していくのだ!

映画のエンディングや出来としては 1997年版が秀逸であり泣かせる。大林監督のものよりはるかに詩情に満ち映像シーンも才能がある。角川春樹ってこんなに才能のある人だったのかと思わせる快作でした。

しかし出演者のなかの相当な数の俳優が死んだり引退したりしているののは時の流れが速いことを実感させた。

ついでと思い 原田知世版を見たらたいくつで途中で見るのをやめたことを思い出した。

わたしがあの高校をでて何十年にもなる、通学し青春をおくっていたことも夢のようであり本当にあったことなのか定かでなくなる

しかしこの映画を見てまざまざと当時のことを思い出した。私の苦くそして小さな希望に満ちた青春を

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