薬が増えていくのに効果が薄れていく

たまに紹介されたり ご自分で転院されたりする患者さんのなかに 抗うつ薬や安定剤の極量を飲んでいる方がいらっしゃいます。あるクリニックからくる方はそういう例が多いこともあり
想像するに調子が悪いと患者が訴えると薬を増量することで対応してしまう親切で太っ腹な先生かもしれませんが
あまり褒められたことではなく時には依存症を作り出したり悪化したり 躁転したり躁鬱混合となったりしていることもあります。
精神科の薬はほとんどがプレシナプスから細胞間隙に分泌されポストシナプスのレセプターにくっついて作用を発現します。量が至適のばあいはある程度直線的に作用が増えていきますが
レセプターの増加に間に合わなく飽和してしまうと大量に投与しても効果が出ません。
ある時点でプラトーに達してしまいます。その時点で飲み続けると切ったときに帰って副作用が出ることがあります。逆説的興奮 離脱症状などです。
患者さんの中には精神的依存を形成しこうした状態に陥りやすくなっている方もいます。
高容量を服用している方には注意が必要です。当院ではそういう方には徐々に減薬することを勧めています。