ADHDと根本治療
根本的に治したいという方が ときどき外来にいらっしゃいますね。それだけ苦しい 症状が自分の奥底に入り込んでどうにもならないのでしょう。それだけ医師から見ると症状が重いともいえます。
そこまで来ると性格や体質と絡み合っているのでよけいにその症状を取ってしまうことが難しいtも言えます。
医療は実は根本治療というものはほとんどありません。あるとすれば比叡山の根本中堂に籠って修行をする以外にないかもしれません。
たとえば 内科 高血圧 糖尿病 すべて対症療法的薬物療法です。そして癌のオペさえも対症療法です。1回のオペですべてを取ったとしても再発することがあります。
ごくまれにあるのは遺伝子治療かもしれません。きわめて狭い範囲ですよね。 今後広がっていくかもしれませんが。
ところが 精神科には根本治療と思われる一群があることはあるのです。うつ病や急性精神病性障害 思春期危機などですが 根本的に治ってしまいます。なぜでしょう 薬や医学的ケアが支えているうちに完治してしまうのです それは自己治癒力を誘い出して活用してのことです。でも薬やケアが根本的治療をしたとはいえませんね。
ADHDにも同じことが言えます。ADHDのfirst choiceは社会心理的対応と書いてありますが、実際にはとても困難です。投薬治療が欠かせないでしょう。
ところが根本的に治ってしまうこともあるんです。それは幼児期発症の中核群です。診断がちゃんとついてある薬を投与すると次第に改善し脳の成熟とともに18歳くらいで投薬終了となります。根本治療に見えますが ここにも個人の適応的成長が絡んでいるかもしれません もっとも違う形で再発することもあるようですが。
いろいろな患者さんの根本的治療の要求を思い出しています。少しは改善したのでしょうか 性急な方が多いような記憶があります。精神科の病気で長引いたときは長いお付き合いと思ってゆったり構えてください。視野を広げていくうちによいことがあるかもしれません。
松島淳より



